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2017年05月16日(火)|08:51|1枚のグラフから

安倍政権4年間通期では財政は縮小、経済成長にブレーキをかけたのだった

アベノミクス4年間の経済成長をもっともシンプルな分析によって見ても、財政はむしろ緊縮気味であり、成長率全体の足をむしろ引っ張っていた。いきなりこんな風に言われても納得しがたい読者の方々がほとんどであろう。

170516GDPの足引っ張る公共投資1

以下、その顛末をいくつかの実証データでご覧いただこうと思う。

アベノミクスがスタートして早4年を経過した。3本の矢として喧伝されたのは^杣仝鬼墨足機動的な財政出動成長戦略―だった。さて、この4年間を総括すれば、以上のうち△隆麝薪戮呂匹Δ世辰燭? 

まずは図表1で事実の確認から。GDP全体はアベノミクスが始まる直前の2012年10−12月期を100とした指数で見ると2016年10−12月期には105.36。つまり年平均では1.3%で伸びた。これに対し、財政出動の効果を端的に示す公共投資は0.5%に過ぎない。その他、企業の設備投資は全期間を通せば年率3.6%で増えた。家計消費は多くの読者の予想とおり、年0.4%ときわめて低調だ。

図表1のタイトルは「GDPの足を引っ張った」としたが、「えっ」と首を傾げた方も多いのではないか?「いやいや、伸び率は低いもののGDPの伸びには寄与したはずだ」と。

いや、考えてもみてほしい。ここは経済データの関係を見る場合に重要なこと。全体の伸びが年1.3%で公共投資はわずか0.5%なのですよ。これは明らかに「足を引っ張る」ではありませんか?ちょうどクラスの平均点が58点で、あなたの得点が45点であったなら、あなたを除外したクラスの平均点は58点を上回っているはずなのだ(ちょっと、たとえが悪かったでしょうか)。

あるいはエンジンブレーキの原理と同じ。すなわち、時速50キロで走行しているときに、ローギアに入れるとどうなるか。時速20キロがせいぜいのローギアに入れれば時速は50キロから45キロ、40キロへと減速していく。閑話休題。

以上はあくまで、国内でのあらゆる経済活動の「結果」を示すGDPの話。アベノミクスがデフレ経済からの脱却を旗印にあらゆる政策が総動員されたのだったら、冒頭の△虜眄出動への意思は「公共事業関係費」の予算に反映されていたはずだ。

本当か?それを知るために作成したのが図表2だ。アベノミクスが事実上始まった2012年度以降の公共事業予算はむしろ減少している(安倍政権の最初の財政予算措置は2013年1月に成立した10兆円規模の補正予算であり、これは図表2の2012年度予算中に含まれている)。

170516GDPの足引っ張る公共投資2

つまり、アベノミクスに於ける冒頭の△虜眄出動の実績は2012年度に大型補正を組んだにとどまったのだ。すなわち、その後2013年度以降の公共事業関連予算はむしろ縮小している。2014〜2015年度には消費増税による景気後退を防ぐ意味を込めて財政規模は多少増額、6兆円を超えていたのが、2016年度以降は6兆円を割っている。明らかに公共事業関連予算は緊縮気味だったのだ。これが図表1の公共投資の急低下につながったことは日の目を見るよりも明らかだ。

年度ベースで見ると2013年度は前年度比実質で8.6%もの高い伸びを示したが、14年度は2.1%減、15年度は2.0%減、16年度も4〜12月期は2.8%減(前年同期比)と3年連続で減少した。

現状では、家計消費が伸びる兆候は一向にみえず、議会対策に躓き始めたトランプ政策への期待がはげつつあり、かつマーケットがそれを予感して株価下落、円高に振れ始めてきた。と同時に、2%インフレ実現がほとんど絶望視されているなど金融政策の限界が多くの人の目に明らかになりつつある。

今後、財政出動への圧力は今後高まってこざるを得ないだろう。特にトランプ政権への期待が剥落してくれば来るほど、あるいは株安、円高が長引けばその可能性が高まる。

(本稿は「近代セールス」(近代セールス社)2017年4月15日号の原稿を加筆・修正したものである)

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角川総一
金融教育、金融評論家。
(株)金融データシステム代表取締役。1949年大阪生まれ。
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